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Q&A

小笠原諸島について

 ● 小笠原諸島の概要

小笠原は、東京から南に約1,000km離れた太平洋上に位置し、大小30余の島々から構成され、島の誕生以来、一度も大陸と陸続きになったことのない海洋島です。そのため、生物は独自の進化を遂げた固有の種が多いほか、通常の生態系では普通にみられる構成種の一部を欠く特異な島嶼生態系を形成しており、国内のみならず世界的にみても希少かつ固有な自然環境を有しています。このため、小笠原諸島は昭和47年に国立公園に指定されるとともに、平成19年には国有林のほぼ全域が森林生態系保護地域に指定されました。 しかし、小笠原諸島では人間が島に入植した約180年前から現在に至るまで、人間をはじめとする様々な動植物の導入・侵入による生態系の攪乱が続いています。海洋島は、このような外来の生物に対して脆弱な生態系であることも特徴の一つであり、特に近年ではノヤギやアカギに代表される多くの外来種による影響等によって、固有種・希少種の減少や自然環境の劣化が進行しています。 こうした状況を受けて、小笠原では、環境省、林野庁、東京都、小笠原村等の関係行政機関や地域団体、専門家等が中心となって、適切な役割分担と連携を図りながら、小笠原のかけがえのない自然を将来の世代に引き継いでいくための様々な取り組みが進められています。

世界遺産について

 ● 世界遺産とは

1972年の第17回UNESCO総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて、世界遺産リストに登録された資産を指します。我が国は1992年に締約国として加盟しました。世界遺産は、人類共通のかけがえのない「顕著な普遍的価値」をもち、将来の世代に引き継いでいくべき宝物であり、国際協力によって保護・保全が図られていくものです。

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 ● 世界遺産の登録手続きは

世界遺産条約を締結している国が、自国の候補をUNESCOの世界遺産委員会に推薦します。その後、文化遺産ではICOMOS(国際記念物遺跡会議)、自然遺産では、IUCN(国際自然保護連合)によって専門家の現地調査が行われ、評価報告書が作成されます。これに基づき世界遺産委員会において、世界遺産リストへの登録が審査されます。

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 ● 世界遺産の登録決議について

世界遺産の登録については、以下に示す4段階で決議されます。委員によるコンセンサス方式によって決議されますが、議論が分かれた場合には投票により決められます。

<決議について>

記載
(Inscription)
世界遺産一覧表に記載
情報照会
(Referral)
付加的情報を求めて締約国に再照会。付加的情報を提出し諮問機関の評価を受けた上で、次回委員会に審査を求めることが可能
延期
(Deferral)
より徹底した評価もしくは調査を求めて推薦を延期。再度、諮問機関による評価などが必要となる
不記載
(Not to Inscribe)
物件についての新たな科学的情報が得られた場合など例外的な場合を除いて委員会に再提出することができない

 ● IUCNの勧告と世界遺産委員会の決議の結果は

推薦書が提出された過去の世界自然遺産推薦地について、IUCNの評価報告書における勧告と世界遺産委員会での決議の結果を整理すると、以下の通りです(過去3ヵ年)。


<第34回世界遺産委員会(2010年)>

国名 遺産名(仮訳) IUCN勧告 委員会決議
ブルガリア ピリン国立公園 拡張承認 拡張承認
中国 中国丹霞(Danxia) 記載延期 記載
フランス レユニオン島の火山峰、圏谷と岩壁群 記載 記載
イタリア サン・ジョルジオ山 拡張承認 拡張承認
キリバス フェニックス諸島保護地域 記載延期 記載
ポルトガル/スペイン イベリア半島の恐竜の足跡群 不可 記載延期
ロシア連邦 プトラナ高原 記載 記載
タジキスタン タジク国立公園 記載延期 記載延期

※この他、複合遺産として推薦された資産が自然遺産として記載された「スリランカの中央高原」がある。

※また、既存の自然遺産である「ンゴロンゴロ自然地域」に文化遺産の価値が認められ複合遺産となった。


<第33回世界遺産委員会(2009年)>

国名 遺産名(仮訳) IUCN勧告 委員会決議
イタリア ドロミティ山岳地帯 記載 記載
ドイツ/オランダ ワッデン海 記載 記載
韓国 朝鮮白亜紀恐竜海岸 不記載 取り下げ
ロシア レナ石柱自然公園 不記載 取り下げ
中国 (復)五台山 不記載 ※文化遺産
クロアチア (復)ロニャ平原自然公園 不記載 取り下げ

※中国の五台山は複合遺産として推薦されたが文化遺産の価値のみ認められ、文化遺産として記載された。

※この他、フランスが自国の推薦物件数が2件に達したため、レユニオン島の審査を延期


<第32回世界遺産委員会(2008年)>

国名 遺産名(仮訳) IUCN勧告 委員会決議
イエメン ソコトラ諸島 記載 記載
中国 三清山国立公園 記載 記載
モンゴル フヴスグル湖と水源地域 不記載 不記載
カナダ ジョギンス化石崖 記載 記載
フランス ニューカレドニア礁湖 記載 記載
アイスランド スルツェイ 記載 記載
イタリア フレグラン地域の緩慢地動 不記載 取り下げ
ロシア プトラナ台地の複合自然 記載延期 記載延期
スイス 地殻変動の舞台サルドナ 記載 記載
ボリビア カル・オロッコ採石場 不記載 取り下げ
メキシコ オオカバマダラ生物圏保護区 記載延期 記載
カザフスタン サルヤルカーステップと湖沼 記載 記載

 ● IUCNの勧告と世界遺産委員会の決議が異なった件数は

推薦書が提出された過去の世界自然遺産推薦地について、IUCNの評価報告書における勧告と世界遺産委員会での決議の結果が異なった件数は、以下の通りです(2000年〜2010年)。

なお、IUCN勧告で「I:記載」とされたものが「N:不記載」となった例は、少なくとも2000年の第24回以降ではありません。


<IUCN勧告と委員会決議が異なった件数(2000年〜2010年)>

委員会 件数(IUCN勧告→委員会決議)
R→I D→I N→I D→R N→R N→D
第34回 2010   2       1
33 2009     ※1      
32 2008   1        
31 2007   ※1       2
30 2006       1   1
29 2005       2    
28 2004   1       3
27 2003   1     1 1
26 2002            
25 2001           1
24 2000 2          

※:複合遺産としての推薦されたが文化遺産としてのみ記載決議。

注)I:記載、R:情報照会、D:延期、N:不記載

注)既に世界遺産一覧表に記載されている遺産の拡張申請は含めず。

 ● IUCNの評価報告書が「I:記載」でなかった場合の対応は

一般的な手続きとして、事実誤認があれば、遺産委員会の議長と諮問機関であるIUCNに対して、遺産委員会開催の2日前までに申し入れることができることになっています。

 ● 世界遺産の審査の基準は

推薦された資産が世界遺産としての「顕著な普遍的価値」を持っているかどうかについて、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示される登録基準に照らし、いずれか1つ以上に合致しなければなりません。さらに、真実性(オーセンティシティ:主に文化遺産がもつ本物の価値)や完全性(インテグリティ:遺産の価値を構成する必要な要素が含まれていること)の条件を満たし、適切な保護管理体制を構築していることが求められます。

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 ● 世界遺産の登録件数は

2010年8月現在の登録件数は、自然遺産180件、文化遺産704件、複合遺産27件の合計911件です。そのうち、日本の世界遺産は、自然遺産3件(知床・白神山地・屋久島)、文化遺産11件です。

→詳しくは「環境省ホームページ日本の世界自然遺産」へ

 ● 最近の登録件数は

2011年6月にフランスのパリで開催された第35回世界遺産委員会では、日本の小笠原諸島(自然遺産)、平泉(文化遺産)、国立西洋美術館本館(文化遺産)が審査され、小笠原及び平泉が登録されました。 また、2013年6月にカンボジアのプノンペンで開催された第37回世界遺産委員会では、文化遺産として富士山をはじめ14件、自然遺産では5件が登録されました。

小笠原の価値について

 ● 小笠原諸島が世界自然遺産地の候補になった理由

小笠原諸島は、地球と生物の進化に関する貴重な情報を提供する重要な地域であり、世界遺産の登録基準(クライテリア)のうち、「地形・地質」「生態系」「生物多様性」の3つに合致すると考えられます。(それぞれの価値の詳細は次項)

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 ● 地形・地質に関する価値とは(他の地域との違い)

小笠原諸島は、海洋性島弧の形成過程をその誕生から幼年期を経て現在進行中の青年期まで観察することができる世界で唯一の地域です。このため、海洋地殻から大陸地殻への進化の道のりを記憶する地球史の顕著な見本であると言えます。 特にプレートの沈み込み帯の形成初期に活動する無人岩系列の岩石は、マリアナ諸島やグアム島など世界各所で産出されますが、地殻変動による破壊を受けておらず、且つ良好な状態で地表に露出しているのは小笠原諸島だけなのです。

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 ● 生態系に関する価値とは(他の地域との違い)

小笠原諸島は、生物が様々な環境に適応するために多くの種群に分かれる適応放散を観察することができる地域であり、進行中の生物学的過程を代表する顕著な見本であると言えます。
小笠原諸島は、これまでに一度も大陸と陸続きになったことがない「海洋島」です。また大きな島が存在しないため生物の生存や進化には不利であったにもかかわらず、複数の島が関係する多様な陸域生態系が進化しており、且つ保存状態も良く、海洋島の典型例であるハワイ諸島やガラパゴス諸島に匹敵する貴重な進化の実験場となっています。

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 ● 生物多様性に関する価値とは(他の地域との違い)

小笠原諸島は、世界的にも重要な絶滅のおそれのある種が数多く生育・生息する島々です。固有種の割合は植物で36%、陸産貝類では約95%などと、生物の多様性が極めて高い地域です。
ガラパゴス諸島やソコトラ諸島など、陸域生態系の生物多様性を特徴とする他の世界遺産と比べても、面積当たりの種数で見ると植物・陸産貝類・昆虫類等において小笠原諸島が最も多くなっています。

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 ● IUCNの指摘後、海域を拡張した理由とその面積は

当初の推薦では南島の一部のみ、海域に沈水カルストに価値があるとし推薦区域に入れていました。今回は遺産の完全性の観点からも、約500haほど増やしました。

 ● 海に生息する生物についての価値は

小笠原諸島の海域は、多くの魚類やクジラ、イルカ、ウミガメなどの重要な種が生息する海域の一つで、珊瑚などもみられ、大切な生態系の一部ではありますが、推薦の対象とはしていません。

自然を守る取り組みについて

 ● 小笠原の価値を守る取り組みとは

小笠原諸島では、人間が島に入植した約180年前から現在に至るまで、人間をはじめとする様々な動植物の導入による生態系の攪乱が続いています。海洋島は、このような外来の生物に対して脆弱な生態系を持つことも特徴の一つでもあり、このことも相まって特に近年、ノヤギやアカギに代表される多くの外来種による影響等により、固有種・希少種の減少や自然環境の劣化が進行しています。
こうした状況を受けて、小笠原では、環境省、林野庁、東京都、小笠原村等の関係行政機関や地域団体、専門家等が中心となって、自然再生に向けた各種取り組みを進めています。

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 ● 希少種保護はどのように進められていますか。

特に絶滅に瀕した種として、アカガシラカラスバトやオガサワラコウモリをはじめとした種を選定し、現地での個体や生息環境の保全、保護増殖などの対策を行っています。また、天然記念物に指定されている種もあります。

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(参考:主な問い合わせ窓口)

環境省関東地方環境事務所  TEL 048-600-0516

林野庁関東森林管理局東京事務所  TEL 03-3699-2530

東京都環境局自然環境部緑環境課  TEL 03-5321-1111

小笠原村総務課企画政策室  TEL 04998-2-3111

・アカガシラカラスバト

環境省 林野庁

・アホウドリ類

環境省 東京都

・オガサワラカワラヒワ

環境省

・オガサワラオオコウモリ

環境省 東京都 小笠原村

・希少植物

環境省 林野庁

・希少昆虫類

環境省

・希少陸産貝類

環境省


 ● 小笠原にはどのような外来種がいるのですか

小笠原で多く見られる外来種の中には、アカギのように在来種の生育地を奪うもの、シマグワのように遺伝子レベルで攪乱を引き起こすもの、ノヤギのように植物の食害を引き起こすものなど、影響の種類や程度はさまざまです。(主な外来種対策は次項)

 ● 外来種の駆除や排除はどのように進められていますか。

小笠原諸島の生態系を撹乱する外来種のうち、特に影響の大きなノヤギやクマネズミといった種を選定し、駆除や排除を進めています。

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(参考:主な問い合わせ窓口)

環境省関東地方環境事務所  TEL 048-600-0516

林野庁関東森林管理局東京事務所  TEL 03-3699-2530

東京都環境局自然環境部緑環境課  TEL 03-5321-1111

小笠原村総務課企画政策室  TEL 04998-2-3111

・ノヤギ

東京都 環境省

・クマネズミ

環境省

・ノネコ

環境省 林野庁

・ニューギニアヤリガタリクウズムシ

環境省 東京都

・グリーンアノール

環境省

・オオヒキガエル

環境省

・ウシガエル

環境省

・シンクリノイガ

環境省 小笠原村 林野庁

・モクマオウ、リュウキュウマツ

林野庁 環境省

・アカギ

林野庁 環境省 東京都

・ギンネム

林野庁 環境省 東京都

・シチヘンゲ

林野庁 環境省

・キバンジロウ

林野庁

・ガジュマル

林野庁

・タケ、ササ類

東京都


 ● IUCNの現地調査にて注目されていた外来種は

特にこの種というのはありませんでしたが、ちょうど聟島でのクロアシアホウドリの営巣が確認された時期で、ノヤギ対策を行った結果、植生が回復し希少な鳥類が戻ってきた成果を認めていただきました。

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 ● 自然環境に関わる法規制やルールにはどのようなものがありますか。

小笠原の自然を守るための規制には、自然公園法や鳥獣保護法といった法律のほか、いくかのルールを制定しています。

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(参考:主な問い合わせ窓口)

法規制等

主な問い合わせ窓口

・小笠原国立公園について
(自然公園法)

・環境省小笠原自然保護官事務所
TEL 04998-2-7174
・東京都小笠原支庁土木課
TEL 04998-2-2123

・国有林、森林生態系保護地域について
(保護林制度)

・小笠原総合事務所国有林課
TEL 04998-2-2103
・小笠原諸島森林生態系保全センター
TEL 04998-2-3403

・希少な動植物について
(種の保存法)
・鳥類や哺乳類について
(鳥獣保護法)
・小笠原カントリーコードについて

・環境省小笠原自然保護官事務所
TEL 04998-2-7174

・天然記念物について
(文化財保護法)

・小笠原村教育委員会
TEL 04998-2-3117

・南島、母島の石門について

・東京都小笠原支庁土木課
TEL 04998-2-2123

・公共事業における環境配慮指針について

・東京都環境局自然環境部緑環境課
TEL 03-5321-1111


小笠原の自然について

 ● 生き物や景観等のいろいろな写真を使いたい

 ● 小笠原の代表的な生き物は

小笠原諸島では固有種の割合が高く、希少な種の宝庫です。小笠原の代表的な生物として比較的観察しやすい種をあげると、テリハハマボウ・ムニンツツジ(植物)、オガサワラオオコウモリ(哺乳類)、メグロ・オガサワラノスリ・アカガシラカラスバト(鳥類)、アオウミガメ・オガサワラトカゲ(爬虫類)、オガサワラゼミ・オガサワラタマムシ(昆虫類)などです。

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 ● 小笠原諸島のいろいろな島へ行ってみたい

小笠原諸島の島々では、固有の生態系を保全し、世界自然遺産としての価値を守っていくために、ほとんどの島へ立ち入ることが禁止されています。(許可を受けた研究者等を除く)
現在、渡航できる島は、有人島である父島と母島のほか、決められたルールに則って上陸できる南島の計3島のみとなっています。

 ● 自然遺産としての価値を見てみたい

小笠原諸島では、希少な生態系を守るため、いろいろなルールが定められています。各種エコツアーに参加することで、自然遺産としての価値の一端を見ることができます。

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(参考:主な問い合わせ窓口)

内容

主な問い合わせ窓口

・総合的な情報

・小笠原村観光協会
TEL 04998-2-2587
・小笠原エコツーリズム協議会
TEL 04998-2-3114

・ドルフィンウォッチング
・ウミガメ
・オガサワラオオコウモリ
・グリーンペペ(ヤコウタケ)

・小笠原総合事務所国有林課
TEL 04998-2-2103
・小笠原諸島森林生態系保全センター
TEL 04998-2-3403

・ホエールウォッチング

・小笠原ホエールウォッチング協会
TEL 04998-2-3215

・アカガシラカラスバト

・小笠原総合事務所国有林課
TEL 04998-2-2103
小笠原諸島森林生態系保全センター
TEL 04998-2-3403

・海釣り(イシガキダイ、イシダイ)

・小笠原母島漁業共同組合
TEL 04998-3-2311

・母島の石門

・母島自然ガイド運営協議会
TEL 04998-3-2300