どんな景色がみられるの
地形・地質
小笠原群島は、約4,800〜4,400万年前に形成された海洋性島弧であり、さまざまな地形・地質を観察することができます。
◆ボニナイト

地上で観察できるボニナイトの露頭
「ボニナイト」とは、海洋プレートの沈み込みが始まって間もない時期(島弧の誕生期)にのみ発生する特殊な安山岩の一種です。このボニナイトには、「単斜エンスタタイト」という輝石類が含まれます。この鉱物は、隕石にはよく含まれるものの、地球上の岩石ではボニナイトのみに含まれる珍しいものです。
小笠原は、海底火山の衝突による隆起・陸化により、このボニナイトが世界で最も大規模に露出し、良い保存状態で残され観察できる地球上で唯一の場所です。
◆カルスト地形
小笠原の南島一帯及び母島の石門一帯では、石灰岩が侵食や風化を受けてできた「カルスト地形」が見られます。特に南島では、ラピエと呼ばれる鋭く尖った岩や、ドリーネと呼ばれるすり鉢状の窪地(扇池、鮫池等)が顕著に見られます。また、南島周辺はカルスト地形が海中に沈降した沈水カルスト地形が見られる国内でも珍しい場所です。
このようなカルスト地形は、小笠原の魅力的な景観を形づくっています。

扇池(南島)

ラピエ(ジニービーチ)

南島空撮
◆その他特徴的な地形と景観
隆起を続ける小笠原では、高さ200mにも及ぶ「海食崖」が随所に見られるほか、海底火山の噴火で生じた「枕状溶岩」、大型有孔虫の化石「貨幣石」などの特徴的な地形・地質からなる景観が見られます。

海食崖(父島千尋岩)

大型有孔虫の化石である貨幣石